ベストテクノロジースタートアップ100とは
技術企業の評価は非技術企業によって行われることが多く、特に新興企業の蓄積するすぐには収益化されない技術資産は、適切な評価がなされにくい問題がありました。
このため、収穫可能性が未知である基礎技術開発のリスクが高まり、結果、画期的なイノベーションを追求するより、より安全な応用製品を選択することが合理的になります。
こうした課題は、技術新興企業エコシステムの成熟した欧米諸国、イスラエルやインド、中国と比較しても深刻であり、国内産業の健全な発展のために早急な対応が求められています。
日本経済は、ソニーをはじめとする技術系創業者を中心とする革新企業が世界を牽引した戦後から90年代頃をピークに、その後は欧米のローカライゼーションに偏りがちになりました。特にソフトウェアが中心となった現在では、非物質的で抽象的なソフトウェア技術の将来価値を正しく見極めることが特に非専門家にとっては難しくなっています。「Software Eats World(ソフトウェアが世界を食い尽くす)」の時代に、現状維持を続ければ国際競争力のさらなる低下を招く危機意識をもたざるを得ないフェーズに入っています。とりわけイノベーションの速度が金融市場と連動しさらに加速する現在、5年10年先の未来をつくるイノベーションの種を健全に評価する文化的土壌が不可欠です。
ベストテクノロジースタートアップ100は、科学技術分野で10年以上の経験をもつ専門家が明確な評価基準に基づき審査を行い、リスクを伴いながらも高い価値創出の可能性をもつ企業を表彰することで、この問題に貢献することを目指し設立されました。
2025年7月